過去の展示レポート
岩切裕子  本と風景展

岩切裕子 本と風景展 2016.3.28~4.16

CONCEPT・WORKS

版画という概念に新しい革命を起こし、様々な作品を作り続けてきた岩切氏の作品は2000年代以降、ストーリーテラー的なある意味饒舌なコンセプトから、もっと静謐で余韻の残る情景を描きたいと思うようになり、2002年に制作した「カフカの裏窓」という作品から頻繁に家がモチーフとして使われています。小説にインスパイアされ「本を読むことは制作と同じくらい大事な位置を占めている」と話しています。本を読み、言葉を拾い、想像を広げ、風景を組み立てながら作品を作るというやり方で作品を製作しています。主にクリムトやシーレの風景画にも触発され、作家なりの風景画を編んだ作品の制作を続け、最近では、本の構造そのものにも興味を持って版画を使ったオリジナル本の制作も行います。

「その風景の中心には家があります。人の喧騒はないけれどもその気配は残るような、名前は持たないけれどももう一度振り返って見たくなるような、じっと何かのときを待っているような家たちです。静かな時間の流れの中で変わるものと変わらないもの、出会うものと失ったもの、そしてこの先もずっと続いていくものをひとつひとつ書き留めていくような展示にしたいと思います。主に2000年代以降の作品と、自分自身で製本・装丁した本の作品を展示するつもりでいます。」と岩切氏は語ります。

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