過去の展示レポート
鮫島大輔 ―FISH GONG― 

鮫島大輔 ―FISH GONG―  2019.6.24~7.6

CONCEPT・WORKS

  この度、Hideharu Fukaskaku Gallery Roppongi では、「鮫島大輔 ―FISH GONG―」を開催致します。
鮫島の作品は、郊外の風景を中心に、ありきたりな日常の風景をモチーフとしながらも、意識の転換や意味を与えることで、鑑賞者に違和感を覚えさせます。作品について、鮫島は次のように語ります。

「日本の大部分を占める郊外の風景とは、何も物語の起こらない背景の様なものです。住宅は効率やコストを追求した素材で作られ、ロードサイドには景観の調和を無視したような原色を多用した店舗が立ち並んでいます。
 もちろん人間が作り出した景観なので、誰かの思惑や配慮、夢などが複雑に混じりあった風景のはずなのですが、どこを切り取っても同じように見えるし、誰の周りにも当たり前にあって顧みられることのない風景なのではないかと思います。
 絵の中には主役となるような人物はいません。こちらが示唆する物語もありません。球体に風景を描いた「Flatball」シリーズは、鑑賞者が自分の意志で見ている感覚を持つ為の仕掛けが施してあります。
ものの見え方は意識の転換や意味を与えることで全然違うものになります。例えば一棟のマンションを見て、生まれ育った家と似ていると見るか、コンクリート、鉄、木という素材の集合体として見るか、それだけでも意味の上では全く別物になります。
 絵は意味を与えなければ絵具の塊にすぎません。そして当然ですが意味の与え方は鑑賞者それぞれ自由です。僕は鑑賞者が自分を主役にして見る世界を提供し、どこも同じように見える郊外の風景の違和感や、面白さ、いとおしさ、気味悪さなど色々な感覚を作品の中に挟み込んでいます。
 僕が描いているのはどこか遠い場所も物語ではなく、鑑賞者がまさに立っている今の世界です。自分が何を見ているのかを考えるのにこのニュートラルな風景はとても面白いモチーフです」

 本展では、実際に使われていた看板や球体などの風景をトリミングする「装置」を使って、日常にありふれた風景を見るべき風景に変換する作品を展示致します。日常に潜む違和感に、奇妙さだけでなくユーモアも感じられることでしょう。 

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